2012年6月21日木曜日

マレーシアの医療制度②

マレーシアの総合病院の医療費は一般診療所以上に”格差”があります。

今回奥さんの病気で国立の総合病院で約2ヶ月入院しました。生検(組織を取り出す簡単な手術)、脳のスキャン、レントゲンなどを受けましたが、総額1,000リンギット弱でした(約25,000円)。入院費なんと1日3リンギット(約75円)で、しかも3食付(あまり美味しくないが)です。ちなみに非国民の場合は、入院費が1日50リンギット(約1,300円)です。実に16倍以上の値段になります(奥さんは国民の配偶者ですので、国民と同じ料金になります)。

もしこれが私立の総合病院となりますと、恐らくベンツ1台がなくなるでしょう。入院1日だけで約1,000リンギット(約25,000円)取られます。マレーシアでは医療の料金は特に規制がかかってません(恐らく)、そのため医療費が信じられないほど高いです。ですが、私立の総合病院も大盛況です、そのからくりというと、ほとんどの人は医療カードを持っています、これはいわば医療保険の一種で、そのカードを持ってれば、医療費(大きい疾患の場合に限る)はほぼ全額保険会社が負担します。医療費が高いため、私立の病院の先生も大もうけです、そのため、良い医者はほとんど私立の病院に流れてしまいました。

奥さんはビザの関係でこの医療保険に入り損なった、でも国立の総合病院のおかげで安い料金で済みました。私はマレーシアのこの国民であれば誰でも安く国立の病院で治療できる制度は非常に良いものだと思っています。

2012年6月15日金曜日

マレーシアの医療制度①

奥さんの病気の関係で、この国の医療制度についてだいぶ分かってきました(国民なんだから、知っているのは当たり前といえばそうですが。。。)。

まず病院についてですが、ここバトゥパハットにあるのは、以下の4種類です。
①個人開業医の一般的な診療所(数え切れないほど)
②国立診療所(1箇所)
③私立総合病院(2箇所ぐらい)
④国立総合病院(1箇所)

実は国民健康保険というものはありません、国民(およびその非国民の配偶者)であれば、だれでもものすごく安い料金で国立の病院で診察を受けられます。

どのぐらい安いかといいますと、診察料は1リンギット(25円ほど)です。55歳か60歳以上(どっちか忘れた)の場合は診察料すら要りません。それから薬代はなんとただ、仮にこれが①番のプライベートの診療所で受けた場合、薬代込みで約20~30リンギットかかります(500~750円ほど)。

これだとプライベートの診療所はやっていけないはずですが、何でそんなにいっぱいあるのか不思議でしょう。

国立の診療所は1箇所しかなく、安いゆえ、毎日人があふれています。そのため、待ち時間が2時間、3時間は当たり前です。この時間があればどれだけ稼げるかと考えている我が国民にとって、とても待てません。なのでここに行くのは貧乏層がほとんどです。その2、一般開業医の方が儲かりますので、優秀なお医者さんたちはあまり国の病院で勤めたがらないです。それで評判の良いプライベート診療所もそれなりに混んでいます。

単純に言いますと、貧乏人は国立の診療所に行くしか選択肢がなく、金のある人は腕の良いお医者さんのところを選ぶ、そういうことです。

次回は総合病院の方について書きます。